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ここはいったいどこなんだ

ダービーデーの東京競馬場、清く正しい競馬ファンでありたい私は馬券を買って楽しみたいのです。
しかし同時に、年に一度(しかも今年はダービー80年の記念レースだ)のこの日のためのイベントを
ひとつでも多く味わっておきたい。これが非常に悩ましいのであります。

場内はどこへ行っても人ばかり。
世界のグルメなどを販売する車の前には長蛇の列で、猛烈に美味しそうな匂いが漂って来るのだけれど
ちょっと並ぶのをためらってしまいます。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、香港・・・どれもみんな美味しそう。

ということでさっさとローズガーデンへ。
東京競馬場グランドオープンの際に整備されたバラと噴水が綺麗な一角。
そういやグランドオープン記念のレースは確かトウショウシロッコが勝ったよなぁと記憶を辿って調べてみたら
本当に勝っていた。実際に目の前で見たレースは記憶に残るのだろうか・・・。
(大型ターフビジョンなんて要らんもん作りやがって、という目で見ていたかもしれないけど)

さて、そのローズガーデン、先週のオークスの頃からアーチがかかって普段よりもゴージャスな設計に。
さらにダービー当日にはイギリス名物ダブルデッカーと、ミニが2種やってきた!
車好きは運転席に乗り込みハンドルを握り、普段は馬ばっか撮っているような人もクルマの写真に夢中!

当日はお天気もよく、バラたちの近くに停まったピカピカのミニは可愛かった!!
2階建てバスもローズガーデンの雰囲気によく馴染んでいる。
いつもここにあってもいいんじゃない?みたいな感じ。場内に大人の遊び場も欲しいよ。
そのほうが気持ちを切り替えて馬券を買えるってもんじゃない?

しっかりディーラーがカタログを置いていて私ももらってきたが、よほど大きく当てなきゃ無理だ(苦笑)。
アンケートに答えてグッズが当たる抽選会に並んでいる途中、ホースリンクのボロ入れに、

「職場はいつも清潔に」

と書いてるのに気付いた。自分の胸に手を当てるとやや痛いけど、そうか、職場かと目からウロコが落ちる感じも。

朝方のレースがボチボチ当たっていて機嫌もよく、スタンド側は座る場所もないし暑いしー、と思っていたら、
丁度良くローズガーデン前でイギリス警察音楽隊のミニコンサートが始まった!
「あの」黒くてモコモコしたでかい帽子に赤い制服の皆さんが、「サラブレッドマーチ」に始まり、
「グリーンスリーブス」「スカボローフェア」「レットイットビー」などのスタンダードナンバーを次々に
演奏し、曲が終わるたびに温かい拍手が周りを包みます。

楽隊の両脇には「レディ」に扮した日本語のできるイギリス人女性が彼らをサポート。
また彼女たちと一緒に記念撮影をしようというお客さんも多数いて、とても華やいだ雰囲気でした。

演奏会が終わると彼らはレディ達と共に一斉に退場・・・のはずが、一部のメンバーが居残り。
なんとローズガーデンをバックに写メを撮り合っているではありませんか。
異国の地に再現された母国の庭の前での演奏会。
彼らが特別な日本ダービーの一日を楽しまれて帰ったことを祈ります。
JRAもちゃんと彼らには、GⅠ焼き、鳥千のフライドチキン、立ち食いそばなどをサービスの選択肢に
加えるくらいのホスタビリティが欲しいですよね。
最初から上のレストランに連れて行くようじゃいかん。

ダービーへ、ようこそ(その1)

東京競馬場に8時についたら、予想通りにもうとっくに門は開いていた。
いや、実は一度開門前に着いているんだが、そこで財布を忘れた事に気付いて家まで戻ったのである・・・。
電子マネーの恐ろしいことよ!
ってか、競馬場の入場も、馬券も電子マネーでカバー出来れば、私の惨事は避けられたのよ。

新宿とか渋谷の朝のラッシュをさばいてる交通系電子マネー、やればできると思うんだけどな-。

まあ、それはいいとして、朝からかなり余分な体力とお金を使った私を、バグパイプ演奏のおじさんが
迎えてくれました。朝からイギリスチックな音色で「アメージンググレース」なんて聞かされたら、
私の心もかなり癒されます。そしてスペシャルなレーシングプログラム。

表紙は去年のダービーのパドックをかなりリアルに描いた絵です。横断幕の詳細まで細かく書き込んであって
感心しました。頑張って早起きしてまじめに幕を張った人はかなり嬉しいかも。絵の視点は検量室の上の
二階部分から。ダービー発走の時間あたりにはちょうど太陽が背中の方に回って良い感じになる場所。
秋のGⅠの時期にもおすすめ。ここなら太陽が低くなっても騎手が馬に乗れば顔に日が当たるのよ。

朝、私はその真向かいにいました。パドックの一番奥。オッズ板を右手に、後ろではケンタッキーダービーの定番、
ミントジュレップの販売カーがいるあたり(今年はスペシャルなプラスチックカップに入っていて、私も思わず、
ノンアルコールで出来ませんか?って聞きたいくらいだった)。

朝のパドックではダービー馬をお迎えしました。
23歳のウイニングチケットさんと16歳のアグレスフライトさん。
オッズ板全体を使ったレーズ映像上映で、朝から気分が盛り上がります。
柴田政人さんと河内洋さんがそれぞれ初めてのダービーを勝った思い出の馬ですね。
ここでも馬が入ってくると大勢のお客様が静かに馬を迎える・・・うん、府中もまだまだ捨てたもんじゃないな。

そして驚くべきはフライトさんの体型。まるで現役で、これから走るんじゃないかと思うくらい、お腹が巻き上がっている。
ウイニングチケットさんは歳相応の好々爺と言った感じで「懐かしいのう」と悠々とパドックを歩いているのに、
フライトさんはまるで戦闘モード。発汗はすごいし、お客さんの気配に敏感に感応するし・・・。

と、思ったらちゃーんと理由がありました。
最後にパドックの真ん中に2頭を並べて皆さんにお披露目したのですが、

フライトさん、お客さんに2回もお辞儀をした!
(テンションが高くて首を振ってたのと違いますよ、まるでトリックホースショーみたいだった)

このために牧場一丸となってフライトさんを仕上げてきたのだわ。
まだまだ16歳、それくらいできるのね。
そう、人間だって80歳でエベレストに登れるんだもの。

朝早くからオールドファンのみならず若者たちも往年の名馬たちに酔いしれたのでした。

やっぱりダービーはお祭りだな-。
こんな調子で、しばらく夢の一日のお話が続きます・・・・。

(杉原くんは大丈夫だろうか。藤澤先生踏んだり蹴ったりだな。頑張れルルーシュ)

固い絆(2013Vマイル)

ヴィルシーナは、ずっとずっと2着が続いている馬だった。
どうしてもあとちょっとで勝てない。

それでもオーナーとトレーナーはジョッキーを替えなかった。
ご存知のようにオーナーは元メジャーリーガー、巨額な資金を背景に一流のスポーツ選手があっけなく
首になる、まさにその渦中にいた人物である。
いや、だからこそ彼はジョッキーを替えなかったのではないだろうか。

競馬が、好きだ。
だから、馬主になった。
好きだった馬の子供を、どうしても所有したかった。

JRAのお偉方が足を向けて寝られないほどの、純粋な思いで彼は馬主になった(たぶん)。
しかも知名度がある方だから、彼の所有馬にはたぶん、野球選手時代からのファンもいるのではないだろうか。
彼の所有馬が走ればお客さんが競馬場に来る。
だって、彼は競馬が好きだから、競馬場に来て自分の馬を応援するから。
私も何度彼の姿を競馬場内で見かけたことかわからない。
そしてこの日、はじめてGⅠの表彰式の壇上に立つ姿を拝見した。
馬主がお客さんを連れてくる、JRAさん、こういう人を邪険にしてはいけませんよ。
(彼に対する私個人の好みはあまり言わないけれど、個人馬主が増えることはいいことだと思う)

そんな野球界からやってきたオーナーのため、地方競馬で腕を磨いたジョッキーが真剣に真剣に勝負をした。
負けた時にも、自信の悔しさよりもオーナーやトレーナーの悔しさの代弁が先に出る。
ジョッキー・内田博幸からは今でも南関東の臭いがする。
「ずっと乗せてもらっていたから、どうしても二人を勝たせたかった」
「嬉しくて、男同士で気持ち悪いけど抱き合っちゃいました」

「またエビちゃん(ホエールキャプチャ・蛯名騎手)にやられたかと思っちゃった」
・・・「また」というのは、天皇賞(春)・青葉賞のことを言っているのだとその後の会話から推測される。

セレモニーが終わったあと、パドックでのレース回顧の頃にはジョッキーはだいぶ冷静に、そして口も滑らかに
なっている。あちらこちらに本音がのぞく。
馬の力を引き出すのが騎手の腕なら、騎手の本音を引き出すことにかけて細江純子さんはGⅠ級だ。

細江「先週は柴田大知騎手が勝ちましたけど・・・」

ウッチー「だって頑張ってたもん!!乗り馬に恵まれない時期があって大変だったけど、ずっと頑張っていれば競馬の神様はちゃんと見ていてくれるんだっていう証明ですよね。自分なんかが体験したことのない苦労を味わってきたのだから・・・」

もう言葉が止まらない。今週も勝ったのが美浦のジョッキーで良かったなぁ。やっぱり騎手同士、ずっと見てるんだね。

そして大きいレースで1番人気で飛ぶことが続いていたウッチーは、やっと嫌な流れを断ち切ることができました。
「1番人気を飛ばすと、人は強くなります」

若手騎手よ、ちゃんと聞いてたか~??
ウッチーが言うとものすごい説得力がある。

普段「周囲の期待が大きすぎる」「プレッシャーが辛い」とお悩みの競馬ファンたちにとっても、
とてもとても励みになる一言だった。ウッチーだって、昔はアンチャンだったしトップジョッキーに
なっても人気馬で飛ぶことがある。

それをあっさり言葉にできる強さ。この人はどれだけのものを乗り越えてきたのだろう。

表彰台の上での2回のバック宙が蘇る。いとも簡単に軽やかに。
胸についたリボンと一緒に宙を舞う。五月晴れ。大歓声。

細江「来週は・・・」

内田「ええと、強い馬がいるし、ええと、アレ、アレ」

細江「アユサン?レッドオーヴァル?」(←さすがナイスフォロー)

内田「そう、ソレ、ソレ(笑)。まあ、僕の馬は府中を経験しているのでそこが強みかなと思います。」

細江「ダービーは・・・」

内田「青葉賞が休み明けだったので、そこを使ってどうなっているかに期待しています・・・」

レース回顧でもバック宙を期待していたけれども、既にウッチーは乗馬ブーツを脱いでサンダル履き。
この日は暑かったからね~。通気性のいいサンダルの方が足にはやさしいです。◯虫に気をつけて・・・。


GⅠだけが競馬じゃないけど、GⅠを勝った騎手の本音が聞けるイベントはいいものですね。
第一、GⅠを勝つような騎手が未勝利戦で手抜きするか?

来週のオークスも楽しみです、アレとかソレが出るし。
女性の皆さんは、来週はお洒落して競馬場に出かけるなんてどうでしょうか。
枠順が出たら、お目当てのお馬さんの枠をベースにファッションを組み立てるのだ♪

みんな手の内(1/27府中観戦記)

日曜日は好天の東京競馬場を満喫してきました。
西門から入場するといきなりデムーロさんの紳士お辞儀でお出迎えされます。私は幹夫先生の方がいい!!という方は正門から入ってローズガーデンへ行ってください^^;

さて、その日の「ライドオブザデイ」を選ぶなら、間違いなく短期免許の最終日だったクリストフ・ルメール騎手でしょう。フォーナインキングでの勝利は、他の騎手がどの進路を取りたがっているかまるでお見通しのような鮮やかさで勝ちました。一方コパノリッキーは、どこまで差が広がるんだというような強い競馬。どちらも見ていて非常に胸がすく競馬でした(先週のAJCCとは大違いだ!ターフビジョンでVTRが流れた時には目を逸らしちゃったよ、ゴメンナサイ)。

騎手の皆さんはよく、強い馬は誰が乗っても勝つと謙遜なさいます。日本人の心を持つルメールさんもそのうち勝利インタビューで「馬に勝たせてもらいました」とか「馬の邪魔をしないように乗りました」とか言うのかもしれません・・・などとと考えるのも、この日の彼があまりにも東京競馬場を手のうちに入れた、そして「郷に入って郷に従った」行動を取っていたからです。

勝ったあとのウイナーズサークルではファンに丁寧なサービスをして(朝方、澄んだ空気に映える富士山をバックに一人でマスコミに写真をとってもらっていたのには、ああ、ルメールさんもやっぱり外国人、とちょっと思いましたが)、連続して騎乗するときにもちゃんとパドックでキチンと整列、お辞儀をしてから馬に乗る。更に進んで地方競馬の騎手のように馬に乗る時「お願いします!」などというようになったらカンペキすぎて怖いですね。

関係者への挨拶、感謝ももちろん欠かしません。馬主さんや調教師さんたちとガッチリ肩を組むのはフランス流。和洋折衷大いによろしいじゃありませんか。デムーロさんのあのお辞儀があんなに感動を呼んだのもあれが彼の国の所作だから。競馬は文化なのだから、お互いの国の良い文化はどんどん取り入れて、国際交流のきっかけになればと思います。もし私が街中でフランスの方から道を聞かれたとして、「ルメールさんは確かあんなふうにコミュニケーションを取っていたな」と思い出せば、私もちょっとは国際貢献できるかもしれないわけです。

さて、話が飛びました。そもそも府中競馬場は広いので、よほど効率的に行動しないとパドックでの連続騎乗は難しいはずです。日本人ジョッキーでも実践している人は少ないです。それを実行するためのサポートを受けられる人徳、また通路や設備の場所や形状なども頭に叩きこんでおかないといけないでしょう。ファンがいかに効率よく競馬場内を動き回ろうと施設や売店、券売機の場所を覚えておくのと一緒・・・って、ジョッキーは仕事ですがな。レースに乗って勝つだけじゃない部分での努力をこんなにしている人は、なかなかいないと思います。

しかも彼のこの行動は府中だけではなく中山でも見られましたし、関西の競馬場でも実行しているそうです。競馬ファンである私でさえ、関西遠征では関西をホームにする友人の後ろをくっついて歩くことが多いのに、「本来そこまでしないくてもいいはずのこと」を、当たり前のように行なっているのをみると、嬉しくてしょうがないんですね。いや実際は、検量室には騎手はできるだけパドックで騎乗するよう注意書きがありますけどね・・・。あと返し馬における所作も、芝コースの外側を並足で決勝審判委員の前を通過するように、なんて中山競馬場に書いているのを見た覚えがあります。ルメールさんがそこまでやっていたか、他の騎手に比べてどうかはチェックしていませんでした・・・。

そしてもちろんコース形状はお手の物!ダートも芝も、まるで通年乗っているかのような見事な手綱さばき。無理がない、無駄がない。お馬さんも上手な騎手と一緒にレースが出来て嬉しいだろうなと思えるほど。その証拠に最終レースを勝ったオコレマルーナ君は、ルメールさんがそばを離れて馬主さんに引き手を持たれたら暴れだしましたから(笑)。

しばらく名手の手綱さばきを見られなくなるのは残念ですが、あんなにポンポンと勝たれてしまった日本人の奮起に大いに期待しましょう。世界の一流の腕前を見られるのは嬉しいですが、日本人ジョッキーを世界の一流として海外の競馬場に送り出したい気持ちも大いにありますから。

春に池添騎手がロンシャンを手の内に入れるべくフランス遠征するそうですね。今度こそ凱旋門賞!だと思いますけど、何よりもいい経験をして日本競馬に喝を入れられるくらいの刺激を持ち帰って欲しいです。外国人騎手に賞金を持っていかれた分、日本人騎手にも海外で稼いできてもらいましょう。・・・現実的じゃない?いやいや、理想は高く!

そしてできれば池添くんには、私服の一着は和服で。これは無理か・・・・?

(今週末も、餅入りけんちん汁を食べに行こうかな。いや、大穴ドーナツ?たまには普通にカレーとかラーメン?え~と中華にパスタも捨てがたい~。)

2500mの走馬灯(2012有馬記念)

ああ、今年もあっという間にこんな季節になってしまった
中山競馬場のクリスマスツリー
正門を入ってすぐ左手、
パドックと本馬場を行き来する人々の目を楽します

人々が願ういろいろな色の夢
サンタクロースはどの馬の格好をしてやってくる?
黒い馬、茶色い馬、そして白い馬
騎手たちもいろいろな地方から、国から駆けつけた
もちろんファンも競馬場で、テレビの前で、あるいは仕事をしながら
中央競馬のグランプリにちょっとだけの希望を託す

ゴールドシップ、芦毛の3歳馬
どんなに長く追ってもへこたれない、
あるいは人間のほうが先にへこたれそうになるくらいのタフな馬
3~4コーナーをぐるりと外への大回転、遠心力の目眩が視界を乱す
そう、この馬は馬群へ突っ込む必要なんてないんだもの

直線は金色の夢と希望を振りまきながら、ただ一頭別の競馬をしているみたいに

そういえば今年は
あんなこともあったよね、こんなこともあったよね
そんな余韻の浸れたのはゴールの後になってからだった
ただただ、馬場をつんざく彼の姿によっていた

もちろん他の馬も死力を尽くした
オーシャンブルーはもしかしたらという競馬をしたし
エイシンフラッシュだって、天皇陛下やデムーロさんに恥ずかしくないレースだった

ただ、ゴールドシップが違っていただけだ

これからも競馬は続く、ゴールドシップは年が変われば4歳になる
年が変わってから生まれた仔は正式に競走馬登録が可能だ
生産牧場はどこも、これから眠れない夜が続くのだろう
新しい命を生み出すための営みや画策も始まっていく

そして私たちもそれぞれの新しい年を迎える

有馬記念は終わった
今日もまた、世界中の厩舎で、競馬場で、馬が走っている、
馬が走るための準備に携わっている人々がいる
私たちも古い新聞を投げ捨てて歩き出そう
新しい、ワクワクする次の競馬のために

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