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支えてくれるもの(2012東京ハイジャンプ)

先日、沢山の人々の夢とロマンを背負っていた馬・ホクトスルタンが天国へ旅立った。目黒記念など、彼の父、祖父、そして曽祖父が得意としていた芝の長距離レースで活躍した彼だったが、事情により障害に転向。若手調教師のホープ・田中剛さんの元、新たな活躍の馬を模索していた矢先の出来事。

その背中には西谷誠騎手が乗っていた。しばらく勝利から遠ざかっていた彼は、大先輩から託された馬の事故に、それがどんなに避けられないものであったとしても、ショックを受けていたに違いない。

「オマエ、最後に勝ったのいつよ?」
目上の方からそんなことを言われたこともあったという。悔しい。もどかしい。情けない。時に彼は、レースを終えて帰って来ると、感情を爆発させることがある。いかにどれだけの思いに自分が支えられているのか、それがちゃんとわかっているからだと私は思う。

デンコウオクトパスはちょっと変わった馬だ。折り合いが難しいのに、府中の連続障害をとても上手に飛ぶ。正面に4つ、バックストレッチに3つある障害は、馬にとっては見た目以上にシビアで、完歩がズレるとそれがだんだん溜まっていく。最後にはちょっと無理が入る。そして直線で足が止まるのだ。坂のある長い直線は、障害レースにおいても大きな見どころ・勝負どころだ。

西谷くんは意外にも先行しなかった。あくまでも折り合いを大切に、馬の気持ちを全身で感じるようにひとつひとつ丁寧に飛ぶ。きれいな飛越が続いていく。向こう正面、馬がするすると上がっていく。府中の障害レースの勝負どころを、馬がちゃんと知っている。騎手はそれを邪魔しない。より走りやすくするための手助けをするだけだ。

直線の置き障害、さすがに私も緊張する。着地と走りだしを見届けて、馬を追いかけ私も走る。彼らが先頭で駆け抜けるゴールの方向へ。

表彰式のあと騎手は胸につけた花を、競馬場に応援に来ていた一番大切な人に向かって投げ、彼らのもとに帰るために足早に地下道へ去っていった。

今日は彼の誕生日だ。競馬の神様は、やっぱりいるのだ。
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